よくあるご質問で、気に入った土地があれば将来の為に土地だけを先に買っておきたいというお問い合わせがあります。もしくは、ハウスメーカーと建築の請負契約をしており、土地だけを探している。というお問い合わせもよく聞きます。それについてのご説明です。
まず、実際に土地だけを手に入れる場合にどのような手順を踏むか、という話ですが、現金で買うか、ローンを組まなければ買えないのかで大きく変わります。
1. 現金で買う場合は、問題なく購入可能です。
ただし、注意点があるとすれば、①購入後3年以内に建てない場合、不動産取得税の軽減が受けられない ②固定資産税・都市計画税がかかる(更地を購入の場合、減免措置もうけられない)
将来の確定していない予定の為に、所有するだけで税金はかかります。よほど余裕がある方でなければ必要なタイミングでご購入された方が良いでしょう。税金関係は別ページにまとめています △ 税金 △
2. 住宅ローンを組んで購入する場合、ハウスメーカーが決まっている、もしくはある程度の目星がついているときは、ハウスメーカーと相談の上、建築プラン・資金計算を貰い土地と併せてローンの審査が可能です。(建てるものが完全に決まっている必要はありません。ある程度どういった建物かまできまっていれば土地と併せた金額で事前審査が出せます。実際の本申込の際に事前で通っている金額よりも増額しないといけないような事態になると審査のし直しが必要になるのである程度予算がショートしない金額で審査を通るようにした方が良いでしょう)
3. 金融機関から融資を受けないと購入できない場合で、ハウスメーカーも何も決まっていないようなときは、やめた方がいいです。
まず、住宅ローンを組めたと仮定した場合のデメリットとして、住宅ローン減税が受けられないという点があります。住宅ローン減税は、毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り(※消費税増税に伴い、延長があります。)所得税の額から控除されます。居住の為の建物に対して取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。その為、住むことのできない土地だけ状態では対象にならず、住宅ローン減税は受けられません。
対象の要件をみてもわかる通り、建物の要件があり、土地を先行して購入する場合に適用を受けようとすると、購入後2年以内に新築を建築し、かつ建物の住宅ローンの中に土地の分のローンも含まれている状況を作る必要があります。建物の建築計画が無く、土地だけ購入する場合にはこの条件から住宅ローン減税は土地分に対しては受けられない可能性が高くなります。
(注文住宅の場合、土地・建物が別契約になりますが、住宅ローンは土地・建物をまとめた形になるので対象になります。つなぎ融資の説明は次に記載していますのでそちらで詳しくご説明しています)
また、土地の売買契約、建物の建築請負契約で、2つローンを組もうとする場合、例えば、片方を奥さん名義で組み、建物を旦那さん名義で組んだとすれば、建物のローンとは別のローンになるので住宅ローン減税を土地の分まで受けることはできません。2つローンを組む形でお話をしていますが、そもそも土地だけの購入で住宅ローンを組めるかどうかは別の話です。金融機関にもよるかもしれませんが、知る限りでは基本的に難しいです。
住宅ローンは、当然住宅を建てる為に組むローンです。空地を住宅ローンで組んで購入し、例えば駐車場経営などに使われては趣旨に反します。駐車場など事業の場合は、事業用ローン等フリーローンを利用する形になりますが、住宅ローンよりも金利は高くなります。その為、住宅ローンの要件で、住宅を新築し入居予定の土地という条件はだいたいつきます。土地の購入に住宅ローンを利用するには、その土地が投資目的などではなく、居住用であることを金融機関に認めてもらう必要があります。
併せて、ほとんどの方が賃貸にお住まいから持ち家の購入に動かれるので、家賃支払いと住宅ローンを平行して支払うのが可能かどうか(本当に買っておく必要があるのか)というところもあります。基本的には上記の通り、土地だけを先行して買うくらいなら、建物もその時に建ててしまった方が良いのでそのようにお伝えしています。
建築メーカーが決まっている場合
土地の買付をする段階では、先に記載しました通り、どのような建物をどこのメーカーで建てるのかがざっくり決まっている必要があります。ベストは、建物のオプション等も考慮して建てたい建物のプラン・資金計画を作成、予算と照らし合わせて問題ない価格の土地を探す、という流れです。ただ、先に建物をがちがちに決めてしまうと、オプション等で建物費用が高額になるケースも多く、土地に対して回せる費用が少なくなります。土地に対して回せる費用が少ないということは、いい土地が見つかりにくくなるということです。建てたいと思ってしまうとそこからの軌道修正は大変で、予算を上げるかエリアを妥協するかしかなくなります。
どちらも妥協できない場合、土地探しは難航します。
稀にあるのが、建物を完全に決めてしまい、契約までしてしまう → 土地が見つからない → 安くていい土地が売りにでたけど、建築条件付き → 条件外せませんか → 外せません → 請負契約解除するにしても解約で費用かかります or 土地の探し直し の流れです。
建物はメーカーを絞り、だいたいの見積りを貰っておくくらいまでで土地探しをするのが柔軟な立ち回りができ、スムーズかと思います。
そのことを踏まえつつ、△ 土地の探し方 △に土地の探し方も記載していますのでよろしければご覧ください。